発端はこの記事から
エコノミストの島澤諭氏 (ポケモンWCS2010秋田優勝者)がひとつの記事を投稿しました。
内容は、eスポーツとしてのポケモンの可能性についてです。
<外部リンク>
URL: https://news.yahoo.co.jp/byline/shimasawamanabu/20180822-00093893/
その中で氏はポケモンがeスポーツになりにくい要因として「勝負は運が絡むこと」「対戦に出すポケモンの育成の困難さ」を問題点として挙げています。
初心者が対戦の世界に入るためには、800を越えるポケモンのステータスや覚える技、特性を覚え、対戦に使うポケモンを厳選し育成することが必要となってきます。
「種族値」「努力値」「個体値」といった専門用語や、「最速抜き調整」「乱数受け」などプレイヤー間で交わされる用語なども理解していなければなりません。
当然、観客もそれらについて理解していなければ試合を楽しむことはできません。
試合はポケモンを知らない層が見ても何が起きているのがわかりにくく、プロによる解説が必要になってきます。
こうなってくると自然とコアな層がメインの観客になります。
つまりポケモンは対戦ゲームとして複雑すぎるのです。

出典:Twitter.com
氏はこれらの状態に対して、ある提案をしています。
それが、ポケモンというゲームの要素の切り離しです。
RPGとしてシナリオを楽しむポケモンと、対戦ゲームとしてバトルを楽しむポケモンの2つに切り離すというものです。
そうすれば、対戦に至るまでの準備時間を短縮でき、パーティーの編成、戦略、戦術に集中できるので、競技としての面白さも増すのではないかと氏は考えています。
プレイヤーの反応は?
これを読んだプレイヤーたちの反応は様々です。
ポケモンが対戦ゲームとして複雑すぎるということには同意しつつも、「ポケモンをe-スポーツに」という部分は賛否両論です。
アニメやグッズなど、様々なメディアに展開しているポケモンの収益構成上、対戦を競技化する必要もないという意見が多くあります。
そもそも、ポケモン対戦を楽しんでいるのはプレイヤーの極一部の層であり、ほとんどのプレイヤーはポケモンの収集や育成などをメインとしています。
「プレイヤー人口の1割にも満たない層のために競技化する必要はあるのか?」という意見も散見されます。
また、ポケモンのゲームそのものではなく、「ポッ拳」(ポケモンのキャラクターを使った対戦格闘ゲーム)をeスポーツ化するほうがいいのではないかとも案もあります。

出典:任天堂
プレイヤーの反応をまとめると
「ポケモンはキャラクター商売なので、対戦をメインにするとグッズの売れ行きが必ずしも伸びるとは言えない。
ポケモンは先駆者のいないe-sportsという波に乗るのではなく、今までどおりキャラクターブランドで売っていくべき」というのが最も多いようです。
任天堂やゲームフリークもポケモンをe-スポーツ化することについては深く考えていないようで、競技化するという話は特にありません。
ポケモンは「赤・緑」の時代から公式大会を行っており、対戦の競技化については公式大会で十分と考えているようです。